演劇でもよく上演される「欲望という名の電車」の映画を初めて見ました。日本では最初に文学座で上演され、ブランチは杉村春子の当たり役のひとつとなっていました。
シネマの名作「アンナ・カレニーナ」「風と共に去りぬ」でも主演を演じたビビアン・リー(38歳)が、精神を病んだ年増女性を主演しました。 シワも出て、20代の若さとは違う容姿のビビアン・リー演じる姉を、妹が夫や友人に「姉の容姿をほめてね」」と何度も頼んだり注文つけたりするのは、哀れでした。女としての魅力を持ち続けたい、あるいはそれしかとりえがないと思い込んで、女の魅力で男を捕まえて結婚するしか、貧乏から脱却し幸せになる方法がなかった女の悲しみが出ていました。
出演: ビビアン・リー, マーロン・ブランド, キム・ハンター, カール・マルデン 監督: エリア・カザン
「ガラスの動物園」「熱いトタン屋根の猫」「イグアナの夜」などの作品で有名な米国劇作家テネシー=ウィリアムスの作品ですが、屈折した人間を描くことに長けているテネシー=ウィリアムスの魅力が、ビビアン・リーとマーロン・ブランドによって引き出されています。 映画史上にも残る二大スターの共演だけあって、51年度アカデミー賞、主演女優賞、助演女優賞、助演男優賞、美術監督・装置の各賞を受賞した名作です。
ピューリッツァー賞に輝いたテネシー・ウィリアムズの同名戯曲を、名匠エリア・カザン監督が完全映画化しました。
マロン・ブランドはこのムービーが出世作となっています。 現代で言う暴力夫の家庭内暴力(=DV)そのものを、マーロン・ブランドが筋肉たくましい若々しい身体で表していました。
日本ではよく上演されますが、ブランチ役を篠井英介や水谷八重子 (2代目)(当時は良重)、岸田今日子、東恵美子、栗原小巻、樋口可南子、大竹しのぶなどが演じています。
【ストーリー】 父の死と共に南部の家を失ったブランシュ・デュボアはアルコールに身を持ち崩して、妹ステラが結婚しているニューオリンズのフランス街の家を訪れた。妹の夫スタンリー・コワルスキーは暴力的な男で、カードと酒に狂ってはステラを打つのであったが、彼女はこの男に全身を捧げて悔いなかった。 また現実を見ず、空想の世界にどっぷり浸っているブランチの素行に、スタンリーがイライラを募らせる。しかも、それを妊娠中の妻ステラにあたり散らし、暴力をふるう姿はまるでけだもの。
そのような妹夫婦の日常を見るにつけ、ブランシュはスタンリーのカード仲間ミッチに次第に関心を持つようになった。母と2人暮らしの純情な独身者で、真面目にブランシュとの結婚を考えはじめ、彼女も彼に、年若の夫を失った暗い過去を打ち明けて、将来への希望を語った。しかしスタンリーは街の仲間から、ブランシュが実は大変な莫連で、17歳の少年を加えこんだというので故郷を追われてきた女だということを聞き出して、ミッチにぶちまけた。ブランシュの誕生日に、むろんミッチは出て来ず、しかもスタンリーは彼女に贈り物として故郷へ帰る片道切符を渡した。そして、その夜…
「欲望という名の電車」